蓑健太郎 弁護士ブログ

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弁護士 蓑健太郎が
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震災から2年

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東日本大震災から2年経ちました。テレビや新聞では色々と特集をやっていましたが、復興への道は遠いという印象でした。

私個人は2年前の8月、中弁連の一員として、もう一人の弁護士と岩手弁護士会の法律相談の視察のために現地に行ってきました。陸前高田市の米崎中学校での法律相談でしたが、その日の相談はありませんでした。ただ、岩手弁護士会の弁護士の方からは、震災直後の状況についてお話をお聞きできました。被災直後の方は、とにかくなにを相談してよいのかさえ定まっていない、とにかく何とかしてほしい、という状況であったそうです。米崎中学校のグランドには仮設住宅が所狭しと設けられていました。仮設住宅の人達は驚くほど出入りを控えていました。

陸前高田市のほか、我々は大槌町、大船渡市、気仙沼市、釜石市なども視察しました。そのなかでも陸前高田市が一番被害が大きかったようで、カーナビに表示される市街地には、何もありませんでした。がれきも既にブルドーザーで集められ、ただの平野と化していました。この状況からまちづくりを始めるのには、理屈抜きで長い年月がかかると思います。日本国民全体で共有すべき問題でしょう。

金融円滑化法期限切れ

平成の徳政令と言われた中小企業金融円滑化法ですが、今月一杯をもって期限切れを迎えます。この法律は、⑴中小企業から負債返済についての負担軽減の申し入れがあった場合にこれに応じる努力義務、⑵当該中小企業に金融債権を有する金融機関同士が緊密に連携を取るよう努める義務、⑶返済条件の変更や債務の一部免除などの措置を円滑に行うことができるような体制を構築する努力義務などを金融機関に課しているもので、現在のところ金融機関としては中小企業からの要望に比較的柔軟に応じて条件変更等を行ってきたと評価されています。もっとも、このような特例は、事業再生が不可能又は困難な事業者の延命を図ってきただけであるとの評価も一部で聞かれ、今般の最終延長の期限切れ措置によって、事業を清算する中小事業者が相当数に上るであろうと言われています。

問題は、「この法律の期限切れによって何が一番変わるのか」ですが、それは「事業再生が可能な事業者とそうでない事業者との仕分けが、これまでより厳密に行われるようになる」ということでしょう。中小事業者は、自社の事業の先行きを再度見つめ直す必要がでてきそうです。