5/26(木),高岡市において,医療・福祉・法律関係者による「見える事例検討会」に参加してきました。この検討会は,イギリスの教育者トニー・プザンが開発した「マインドマップ」を応用して,医療・福祉・法律関係者が他職種で事例を俯瞰的に見ることで,支援困難な要因に対する解決の糸口が見えてくるというものだそうです。2005年に八森淳医師と大友路子社会福祉士が日本で紹介されてから,全国的に波及しており,高岡では今回は2回目の実施とのことでした。
私はこのような会は初めてでしたが,知人の弁護士のお誘いで参加してきました。
高齢男性と,その身の回りの世話に関わっている兄及び甥。男性は認知行動に問題があるということで,精神科での治療も必要な状況のようですが,本人や家族が積極的ではない。問題行動を起こしてしまうので,通常の認知症デイサービスの利用も困難,なお糖尿病での治療を受けているという事例でした。
この事例を巡って,医師,社会福祉士,薬剤師,地域包括支援センター職員らが自身の専門分野からの知見に基づき,また時には一般人としての感覚から,様々な意見を交わしました。
弁護士の参加者に対しては,本人が自宅で一人でいる場合の法的問題点について(監禁,高齢者虐待に当たらないか),精神科への入院に関する後見人の選任方法についてなどが,医療関係者からの質問で出ていました。
非常に内容の濃い2時間であり,このような問題事例に真摯に向き合っておられる医療・福祉関係者の方々の熱意に感銘を受けました。
我々弁護士としてもこのような相談は日常的に受ける相談であり,医療・福祉側からのアプローチの方法を知り,連携していくことの重要性を再認識させられました。