土曜日に金沢で中弁連刑事弁護経験交流会が開かれたので、参加してきました。
中弁連刑事弁護委員として昨年に引き続いての参加です。
今回は「更生に向けた情状弁護」がテーマ。罪を犯した人の中には多数の知的障がい者や依存症患者が含まれることから、そういった人たちの更生に向けて我々刑事弁護人が取ることのできることは何かを考え、経験を語り合う会です。
これらの人達は悪いと分かっていても罪を犯してしまいます。自分ではもう止められない(病的)状態です。
近年検察庁はこのような問題意識を明確に意識し始めたようで、富山を含む一部の検察庁では起訴猶予が見込まれる被疑者に対し、不起訴処分後速やかに更生保護施設に繋げる方策を採ったりしているようです。
また、クレプトマニア(窃盗癖)の治療を専門的に行っている赤城高原ホスピタル院長の竹村道夫医師の基調講演もありました。
たとえば、万引きの前科があるのに、またスーパーで惣菜を万引きしてしまう主婦。
捕まると、皆「節約したかった」「もったいなかった」と言うそうですが、窃盗癖がそういう行動をさせているだけで、もはや自分でも止められない状態なのです。窃盗癖の患者さんの生の声の収録されたテープの再生もありましたが、本当に治療が必要で、ただ刑務所に入っても効果がないということがよくわかります。
多かれ少なかれ一般の人が裁く裁判員裁判でもこのような知的障がいや依存症を抱えた患者による犯罪が取り上げられることはあります(特に放火)。そのとき、裁判員に対してこのような事情を伝えられることができるかが、刑事弁護人の役目なのだということがわかりました。
触法障がい者の刑事弁護に関するチラシ(日弁連制作)
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/activity/data/handicapped_person_criminal.pdf